ボログ

若手俳優を追いかけて暮らしている

キンブレは握るものなのか掲げるものなのか

「キンブレ」って言いましたがペンライト全般の話です。面倒なので「キンブレ」で統一して書きます。


2.5次元舞台、多いな。
アイドル系、昨今特に多いな。
アイドル系には付きもののライブ演出。まぁアイドル題材じゃないのに何故か歌って踊る舞台もあるんだけど。刀……舞とか。
一番びっくりしたのは人狼系のお芝居を観に行ったのにライブコーナーがあったとき。人狼するか歌うかどっちかにしてほしい。ボーカル、真っ先に死んでた人じゃん。


その手の2.5次元アイドル舞台で学級会開かれがちな「バルログ持ちすな扇子(8の字)振りすなそもそも頭上に掲げんな」問題。私が観ていた舞台でもあった。
当時推しに干されていた私、この世はクソキュアMAXハート状態だったので最高にイラついてた。そんな時に目の前の席の奴らがキンブレを盛大に掲げ始めたのだ。
推しに干されるわおたくの腕しか見えないわ…私は何をしにここへ…?と思ったらめちゃくちゃ泣けてきたし、同時にどちゃくそ腹が立った。私は前にいる客の肩を叩いた。
泣きながら「下げて!」とキレるBBA。ドン引くおたく。そこから先は胸の下で持ってくれたのでBBAは推しの塩対応についてのみ心を痛めて帰宅した。
休憩時間、隣に座っていた若い子がこそっと「私も迷惑だなと思ってたんです。ありがとうございます」とお礼を言ってくれた。お役に立ててよかった。
歳をとると何でもズバズバ言えちゃう図太さが芽生える。それは良い点でもあるし悪い点でもあると思う。だって上記の一件、完全にイキリおたくの武勇伝語りやん。BBAは「恥」という概念を忘れがちである。


いや、イキリおたく(私)の話なんかどうでもいいのだ。問題は「何故そんな振り方をする輩がどこの現場にもいるのか?」ということ。
最近の2.5舞台はいわゆる「俳優」という職業だけではなく「アイドル」からもキャストを選出する傾向にあると思う。まぁ「アイドル」が主軸の舞台なら本物のアイドルを連れてきた方が手っ取り早い。

アイドルの文化というものは、俳優の舞台文化とは似ているが、微妙に異なるものだ。
アイドル、特に地下系ではバルログ持ちも8の字も当たり前で、むしろ推奨されているように思う。当然のようにコールも入れるし、なんなら一緒に振りだってする。その一体感が楽しい。
私が初めてモーニング娘。のコンサートに行ったとき、前にいたおじさんたちが全員踊っていたことに驚愕した。しかも完コピじゃないですか。ミラーじゃないんですよ。ガチの振りを覚えてるんですよ。しかし各自推しの振りしか覚えてないので、微妙に統率がとれてないおっさんたちのダンス。わぁ目障り(正直者)。
でもハロヲタの友達が言うにはそれが「当たり前」なのだ。「そういものか」と納得して観ていたら、だんだんおじさんたちのことも気にならなくなってきた。推しが出てきたタイミングでクイッ!とレーザービーム(柳生比呂士)を撃つかのようにキンブレをステージへ向けるおっさんだけは最後まで鬱陶しかったが。


私はテニミュから入った人間なので「舞台は静かに観るもの。ペンライトもうちわも頭より上にあげちゃいけない」というのが常識だと思っていた。
けれど、地下アイドルの現場に通っている人たちからしてみたら「ライブは盛り上げるもの。大閃光でもUOでも焚いてコール叫べ」がきっと常識なのだ(個人の想像による見解です)。
相容れない価値観・主義主張を持った者同士が同じ会場に詰め込まれたらそりゃモメるに決まってる。
楽しめるならコールもキンブレぶん回しもいい。ただ、それらの行為が禁止されているのだとしたら、やはり大人しく観劇するのが筋ではないだろうか。「アイドルを題材にした舞台中のライブ演出」なのであって「アイドルのライブ」ではないのだから。


余談だが、私が観ていた舞台にもコールがあった。公式からは暗黙の了解のような感じで禁止されてはいなかった。正直、私も楽しいなぁと思っていた。
が、観終わってロビーへ出たら、舞台好きの友人が号泣していたのだ。聞けば「コールのせいで推しの歌声が全く聞こえなかった」というわけだった。万人が楽しめる演出って難しい。
更に余談。舞台を観ていたら前にいた若者たちがガチ恋口上をし始めたときはびっくりした。しかも尺が足りなくて言い切れてなかった。やるからには全力でやってほしい。